夏よ来い!
7年ぶりのカビ大発生である。
七年前の2003年は、下田に越してきたばかりで4月からずっと天気が悪く、長雨が続いた。おかげで革製品などに緑色のカビが付着し、散々手入れをさせられた。この年は冷夏にもなった。
これほど湿気の多いところでは、暮らすのが厄介だなと、翌年梅雨時には中央アジアを旅して梅雨を逃れたのだが、四十度を越える中央アジアの暑さにくらくらしながら帰ってくると、日本もまた晴れで気温の高い夏が長く続いた。聞くところによれば、2004年は空梅雨だった。
なかなかうまくいかないものである。
翌2005年は諦めて、梅雨時にこちらにいたのだが、革製品がそれほどかびることもなかった。三年目にして、ようやくここの気候に慣れたような感じであった。
今年は二週間前の海の日を境に、雨が続いた。本来なら夏になるはずのところが逆である。海水温も例年より冷たいままだ。ちなみに昨日の近所の入田浜の水温は二十一度である。裸で入るにはよほど天気がよくなければ寒い。
この二、三日は、少し晴れ間も見えるようになり、昨日、今日と妻と二人で家中のカビをふき取った。
革靴、下駄箱、洗面台の横のラック、キッチンの引き出しなどである。
涼しい今日は、湿気も少なく快適である。
カビ対策をしおえて、秋発売予定の原稿も初校が終わり編集者に送って一息ついた。
昨夜は、敬愛する絵本作家で鳥の巣収集家の鈴木まもるさんと飲みにいった。先日NHKハイビジョンで放映されたナミビアの鳥の巣の取材話や、奥様で、童話作家の竹下文子さんが、産経児童出版文化賞フジテレビジョン賞を受賞した話などを聞いた。
また二人の共著『そいつの名前はエメラルド』(金の星社)が今夏の第55回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選ばれている。
児童書と一般書は同じ出版界でもまったく接点がないほどに違う。
でも大先輩の二人がこつこつと日々仕事を続けていっている話を聞くのは楽しいし、大いに励みにもなるものだ。
飲み屋では、友人たちも偶然出会い、夜更けすぎまで盛り上がった。
それで今朝、カビ退治も終了し原稿も送付し、身も心もさっぱりとした。
来週からは次作の下調べが始まる。
一緒に暑い夏がきてくれるといいのにな。
ヒグラシの金属的な鳴き声を聞きながら、曇った空をうらめしく眺めた。



















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