撮影隊がやってきた
まだまだ海は暖かく、連日サーフィンに行っている。
八月は凪いだ日が多かったのだが、九月に入るとがぜん波立つようになってきたのだ。
残暑がまだまだ続いているが、波に関しては、すでに秋の姿を見せていると言えよう。
そこで先週末など、サーファーたちが大挙して遠征にやってきて、海の上は大混雑であった。適当に波が上がる程度なので、ビギナーでも恐くなくやれるのである。
ただサーファーが急増するのと反対に、海水浴客はグッと減る。
ぼくなどまだ薄手の夏用ラッシュガードと海水パンツで入っているが、さすがに九月だ。海に入ろうという気も起こりにくいにちがいない。白人ばかりが目立つようになっている。
日本人は、季節感で行動すると言われているせいか、海水浴に来なくなる。しかし季節感のない白人たちは、実質的な肌の感じ方で、この暑さなら海に入りたくなるよないった具合で、遊びに来ているようだ。
さて、サーファーはまだまだいるのだが、夏以外の季節になると、各種撮影隊もやってくるようになる。
テレビドラマや映画、CM、雑誌、美少女写真集の撮影(みんなやたらに可愛くて、ポーズも様になっていた)なんてのも見たことがある。
有名どころでは、三年ほど前の冬、テレビドラマの撮影で松嶋菜々子さんがやってきていた。防波堤を軽く飛び越えたとき、その脚のきれいさと長さに、さすが女優だと感心したものである。
この春には携帯電話のCM撮影隊がきて、女優のほうはうまく演技できていたのだが、画家役の、無名な男優がうまく演技ができずに、何度も撮りなおしを命ぜられていた。それでいて、彼の出番は、テレビにはなく、インターネット版の出演だけに止まっていたので、気の毒な気がした。
そして今日は、NHK大河ドラマ『篤姫』の撮影隊が来た。
篤姫の生きた時代は、江戸から明治への移行期で、篤姫の夫徳川家定治世のときに、安政の和親条約をアメリカ、イギリス、ロシアと締結している。下田にアメリカ総領事のハリスが駐在したのもこの頃だ。
だからなのかどうなのか、近所の舞磯で撮影となった。
伊豆新聞で四十名のエキストラを募集しており、それで知り、ミーハーの妻の誘いで散歩方々現場に向かった。
するとさすがは大河ドラマだ。
ロケバスだけでも四台、あと大型トラックが十数台も駐車場には止めてある。開け放たれた荷台には観葉植物まであって、その規模の大きさを知る。
舞磯に行くと、大きなセットが作られていた。ちょうど関所のようなものと、日本家屋が一軒、さらに波打ち際には船が泊められてあった。
スタッフが数十名に、着物を着た女優陣、武士の恰好をした役者、昔の洋服を着た白人、漁民らしくみすぼらしい恰好の地元下田のエキストラなど総勢百名近い人数だ。
関所の中で、日よけの大きな傘がうろうろしている。
気温はすでに三十度を越えているだろう。東向きのビーチなだけに、午前の日をまともに受けて暑い。着物を着ていると、さらに暑くて大変にちがいない。
大きな傘に隠れるように、篤姫役の宮崎あおいさんがチラチラ見える。お姫様だけに、一段と色鮮やかな着物姿だ。
妻は双眼鏡でしっかりと観察している。
あとはセットをバッグに記念撮影して、汗だくになりながら家に戻った。
撮影隊を見学していてつくづく思う。
役者は大変な仕事だと……。
それにしても大河ドラマは、やはり金をかけている。
ま、国民的なドラマだもんね。
(レコーディングダイエット第4週 マイナス1キロ トータル7キロ減)
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